徒然五十音楽帳

ら・わ

ラジオ体操の歌

「あたらしい朝が来た、希望の朝が」と始まるラジオ体操のテーマソング。歌っているのは昭和の名歌手・藤山一郎さんで、自身で作曲も担当しています。多くの人がなんとなく耳になじんでいるのではないでしょうか。

ラジオ体操のテーマとしては三代目。昭和31年に発表されました。初代は昭和6年、二代目は昭和26年に発表されています。

ラジオ体操といえば最もポピュラーな第1は皆さんよくご存知。第2はあまり覚えてないけれど、何回かやったことがある。ところが、さらに!! まぼろしの第3体操というのが実は存在したそうです。あまりに複雑で難しく、動きをラジオで伝えるのが困難だったために、普及しないままに短期間で終了してしまったとか。ラジオで伝わらないラジオ体操では致命的ですね。(チコ)


りんどう峠

昨日、お花屋さんでりんどうの花を見つけました。その紫色はまさに秋の色。心に染み入る色です。思い出したのは島倉千代子さんの唄うこの曲。

歌詞に出てくる風景が目の前に浮かぶようでした。

あたり一面りんどうの花咲く峠。秋のすがすがしい風の中、大好きなお姉さんがお馬にゆられてお嫁入り。まだ幼い妹はその別れにじっと耐え、峠の向こうに消えてゆくお姉さんの姿をいつまでも見つめています。

明日からもうお姉さんはいないんだ。私一人なんだ。彼女にとって、まったく新しい未体験の暮らしがはじまる、その日の歌です。

節目となる日の空の色、咲いていた花の色、副風の肌触り。あなたの記憶にもきっとありますよね。(チャコ)


ルビーの指環

言わずと知れた寺尾聰さんの大ヒット曲。1981年のレコード大賞、あわせて作詞賞・作曲賞・編曲賞もこの曲だったというからすごい。

そもそも所属する石原プロのお偉方が「こんな曲うれっこない」と言う中、裕次郎さんの「いいじゃないの」の一言で発売が決定したそうです。

終始つぶやくような、けっして歌い上げない歌。当時小学生だった僕は、お風呂の中でよく歌いました。家族に聞かれないようにこっそり歌うにはとても都合がよかったのです。(チコ)


レット・イット・ビー

自慢じゃないけど私は中学の頃、英語が大キライでした。初めて英語に触れる人とすでに塾などで親しんできた人の二種類の生徒がいて、私は「初めて組」。外人さん風に発音できる人に驚き、やっかみ半分に、よく恥ずかしくもなくあんな風に読めるもんだと、かたく心を閉ざしてきました。

それから月日が流れ高校生になった頃、大好きな洋楽をピアノで弾いてみようという日が訪れます。その時に選んだのがこの「レット・イット・ビー」。イントロは私にも弾けそうだ、と思ったのです。そして実際に練習を重ね、できるようになったのです。「やった!!」しかし、そのあとには、あの長い英語の歌詞が待ち構えていました。ムムム…。

歌う時には「れっといっとびー」というわけにはいきません。精一杯カッコつけて「レリビ〜」と言ってみました。レリビ〜レリビ〜と5回も続けて言っているうちに、恥ずかしさと怒りに近い感情がムズムズとわき上がってきました。何だよ「レリビ〜」って!! 私は何を言っているんだ!? この外国かぶれが!!

そんなわけで、いったんこの曲とは距離を置くこととなりました。(チャコ)


ローレライ

19世紀のドイツ歌曲です。「ローレライ」とはライン川流域にある130メートルほどの岩山の名前です。岩山にたたずむ美しい少女ローレライが船頭を魅惑し、舟を沈めてしまうという伝説があります。

この付近は流れが急で、川底に細かい岩も多く、かつては事故が多かった。周囲には古城も多く、現代のライン川下り観光でも見所の多い場所だそうです。美しい景色に見とれているうちに岩にぶつかって急流に飲まれる、といった危険が昔からあったのでしょう。気をつけなさい、という意味でローレライ伝説が生まれたことが想像できます。

「おい、ローレライに誘惑されないように気をつけろよ、お前は女好きだからな」「おめえに言われたかねえよ馬鹿野郎」などと船頭さん同士が言い合っていたかもしれません。現代ならば付近に「わき見するな」「流れ速し、岩多し」の標識を立てるのでしょうが、効果は知らねどそれでは味気ない気もしますね。(チコ)


別れの朝

10月31日(土曜日)は「ハロウィン騒動」で渋谷・六本木は大変なことに! というニュースを見ていたら、最終的に残されたのは大量のゴミなのですね。東京都が配布したというカボチャのゴミ袋も、ゴミとなって空しく笑っているようでした。

さて、最終回を迎えた本日の1曲「別れの朝」は、ペドロ&カプリシャス、昭和46年の大ヒットナンバー。ボーカルは前野曜子さん。ドラマチックな大人の別れを歌っています。

別れといえば「片付け」(?) 昨日、押し入れの大掃除をしました。うっすらほこりをかぶったダンボールの中に、愛着ある雑貨、ノート、写真の数々…眺めていれば思い出と共によみがえってきます。

しかしキリがないこと。少々思い切って仕分けをしました。いつの日か、これがゴミになってしまう前に、「ありがとう」と言って別れを告げることにしたのです。もちろん未練もあるけれど、物事には終わりが来るのですよね。仕方ない。

そんなわけで「徒然五十音楽帳」も別れの朝を迎えることになりました。今までありがとうございます。(チャコ)


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